チャドクガ
毛虫皮膚炎の患者さんが最近増えています。毛虫にやられると猛烈に痒いので皆さん相当辛そうに来院されます。
ツバキやサザンカの葉っぱの裏にチャドクガの幼虫である体長2センチほどの毛虫がびっしりと整列しているのが見られます。1匹の毛虫にはなんと50万本もの「毛」が生えています。庭や通り道にツバキやサザンカがある方は要注意です。
よく「毛虫に喰われた」といって来院される方がいますが、「蚊」や「蜂」のように刺したり喰ったりするわけではなく、「毛虫ちゃん」は自分の身を守るために、「毒針毛」という毛をまき散らして攻撃するわけです。毛虫を発見したら慌てず殺虫剤を噴霧するのが良いのですが、実際発見すると慌ててしまい、手で叩き落とそうとしたるすると「毒針毛」が舞い飛び、腕にちくちく刺さってしまいます。 その時にこすってしまうと皮膚炎がひどい状態になってしまいます。
「毒針毛」が腕などに付いた場合はセロテープなどで静かに貼り付けて取り除き、その後、水で良く洗うと皮膚炎は軽くすみます。
実際、毛虫を見ていなくても洗濯物を干すベランダの近くにツバキやサザンカがある場合も要注意です。風に乗って「毒針毛」が ふわふわと飛んできて、肌着などに付いてしまっている場合、それに気付かずに着てしまっても「毛虫皮膚炎」は起こります。その時は腕などの露出部だけではなく、肌着を着るときに「毒針毛」が触れるであろう場所なら顔でもお腹でもどこでも起こります。
この時期、原因不明の強い痒みがある場合は、「毛虫皮膚炎」の可能性も考えて、皮膚科にご相談下さい。
もちろん「毛虫ちゃん」に遭遇した後に痒みが出てしまった場合も早めに適切な処置をするようにしましょう。