インフルエンザ流行の兆し

本日インフルエンザAの患者さんが数名受診されました。いずれも小学校低学年でクラスでは10人前後欠席しているとのことでした。鼻の奥の粘液を細い綿棒で採取して迅速検査をします。私も以前自分で検査したことがありますが、つんっとした痛みを伴うため、決して楽な検査ではありません。しかし5分くらいで結果が出るため、周辺で流行していて、40℃近くの発熱をした場合には大変有用な検査でもあります。発症(発熱)から半日以上経過していたほうが検査結果の精度はより高まります。ですので発熱してすぐに受診されても、検査をしないで半日から一日あえて様子を見ることもあります。38℃以上の発熱が出たり下がったりする場合はインフルエンザの感染を強く疑います。筋肉痛や関節痛を訴える場合はより可能性は高まります。

ご承知のことと思いますが、タミフルによる異常行動の可能性が疑われるため、インフルエンザの診断が確定しても、現在10歳代の患者さんにはタミフルを積極的に処方は出来ません。一方、同じ抗インフルエンザ薬で吸入薬であるリレンザが5歳以上では処方出来るようになったので、吸入が上手く出来そうな場合はリレンザで治療することも可能です。

昔は迅速検査も無く、もちろんタミフルやリレンザといったインフルエンザの「特効薬」も無かったため、インフルエンザ=流感はひたすら「寝て」治しました。だから1週間くらい寝ていれば熱も下がり、学校や職場に行ってもそれ以上他人にうつす危険は少なかったのです。しかし、現在はタミフルを内服すれば1日か2日で熱も下がり体も楽になるので、学校や会社へ行ってしまいます。体は楽になっても、発症から1週間から10日間はウイルスを放出し続けるので、油断すると他人にうつす危険性が高まります。タミフルやリレンザで楽になっても、その時点で治った訳ではなく、発症から10日間位は咳をゴホンとすれば、他人にうつす危険があることを十分理解して、診断がついたら、最低でも1週間は家の中でも外でもマスクをする、人混みにはなるべく行かない、といったことを心掛けてください。

しつこいようですが、まずはワクチンで予防を、日常生活では手洗い、うがいを励行しましょう。それでも感染してしまったら、きちんと治して、自分がさらなる感染源にならないように意識して10日間位過ごす、といったことでしょうか。また、報告します。 

インフルエンザ2007

このブログ、長い間更新出来ずにすみませんでした。今後は気負わず不定期で更新していければと思っております。さて、早いものでもう11月も後半。めっきり寒くなって参りました。皮膚科ではこの時期、特に増えてくるのが乾皮症、つまり乾燥による湿疹で痒いかたがいらっしゃる季節ですが、それはまた今度。

ちまたではインフルエンザが流行する兆し、とか一部地域では学級閉鎖、などと報道されておりますが、昨日と本日、インフルエンザAの患者さんが当院でも確認されました。いずれもお子さんです。まずは感染しないようにインフルエンザワクチンの接種はきちんと済まされておいたほうが良いと考えます。

以下Q&A方式で、よくある質問事項をまとめてみました。

Q : 接種からどのくらいで効き始めますか?

A : 接種後2週間から5か月程度持続すると考えられます。 ですので、そろそろ流行が始まると考えると、11月中に2回目の接種を終えられるようにしたほうが良いと考えます。

Q : 13歳未満で2回接種をする場合、どのくらい間隔をあけて接種をすれば良いですか?

A : より高い免疫効果を得るためには、3~4週間隔で接種をするのが最適です。 4週間程度が最適ですが、風邪を引いたりして打てずに先延ばしにするより、3週間程度で体調が良い時に打ってしまうことをお勧めしています。

Q : 大人は2回打たなくても良いのですか?

A : 毎年打っていれば1回接種でも追加免疫効果があると言われているため、高齢者の接種は1回となっていますが、これはきちんと検証されてはいません。高齢者はもちろん、呼吸器疾患、循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全など持病をお持ちの成人の方、受験生などは2回打ちのほうがより免疫効果は高まると、私は考えます。

今年は国の用意した(このくらい作ろうと指示した)ワクチンは昨年より余裕をもってあるようです。接種がまだの方は、是非ワクチン接種をお勧めします。ちなみに、今週は嘔吐(吐く)の風邪が多かったです。インフルエンザも風邪も手洗い、うがいを励行しましょう。


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