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新型インフルエンザその3

だいぶ暖かくなってきました。花粉症のかたの受診も増えて来ました。症状が出てからでも内服治療は有効ですので、自分の症状にあった治療、眠気など副作用のでない自分に一番あった治療をしばらく継続するようにしてみましょう。私も現在、内服、点眼で治療をしています。
 さて、今回はインフルエンザウイルスの変異について少し説明します。
同じインフルエンザなのに毎年流行します。昨年かかったのに今年もまたかかる方がいます。はしかや水ぼうそうは1回かかれば2度とかからないのに、同じウイルスでもインフルエンザは、何故、何度もかかるのでしょう。それは、同じ亜型の中でも、毎年、わずかな変化をしているからなのです。この少しだけの変化のことを、連続抗原変異(antigenic drift)といいます。これは車でいうところのマイナーモデルチェンジです。ウイルスからしてみれば、生き延びるために、少しだけ姿を変えて、ヒトに感染して、種を残そうとしているわけです。この小変異を毎年続けながら、数年から数十年単位で流行が続くわけです。
一方、突然、まったく別の亜型にとって代わることがあり、これを不連続抗原変異(antigenic shift)といい、フルモデルチェンジです。この、大変異が起こったこと=新型インフルエンザを出現した、ということになるわけです。
過去のインフルエンザの歴史を見てみると、1918年に始まったスペイン型(H1N1)(注:スペイン風邪は風邪ではなくてインフルエンザだったのです。)は39年間続き、1957年からはアジア型(H2N2)が11年間続きました。1968年には香港型(H3N2)が現れ、1977年にはソ連型(H1N1)が加わり、現在、A型H3N2とA型H1N1とB型の3種類のインフルエンザウイルスが世界中で共通した流行株となっているのです。A型香港H3N2が現れて40年、A型ソ連H1N1が現れて31年連続しているため、状況的には、いつ新型に置き換わってもおかしくない状況なのです。では、また、来週。
 

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